先日6歳の次女(年長)が鼠経(そけい)ヘルニアで入院しました。
さいわい大きな病気ではなく、入院も3日と短かったのですが、まさかの付き添い入院を経験することに。
この経験を他のお父さん、お母さんにもお伝えしたいと思い、本記事を執筆しました。
発見のきっかけから3日間の入院~退院までを時系列でまとめています。
お父さん、お母さんたちの参考になりましたらさいわいです。
発見のきっかけ
年長になってもなかなかおねしょの治らない次女は、毎日寝る前にわたしがオムツをはかせています。
そのときにふと気づきました。
左側の股部分がすこしはれてる……?!
どこかにぶつけたにしては赤くもないし、少しプヨプヨした感触をしています。
次女に聞く限りでは痛くはないらしいのですが……。
そういえばむかーし読んだ育児マンガに臍(さい)ヘルニアっていう言葉が載ってたなぁと、このとき思い出しました。
念のためネットで調べてみると鼠径(そけい)ヘルニアというものが次女の症状には一番近いように感じました。
ヘルニアとは、腹腔内容物(腸管や脂肪)が、腹壁に生じた(または生来有する)欠損部(脆弱となった部分)を通じて飛び出す状態のことで、いわゆる脱腸です。そして、左右の太腿の付け根部分に発生するヘルニアの総称を「鼠径ヘルニア」といいます。
鼠径ヘルニアとは|国立国際医療研究センター病院 (ncgm.go.jp)
次女の場合はより内側の内鼠経(ないそけい)ヘルニアのようです。
その夜は痛がってもいないので普通に就寝することに……。でも翌朝には昨日のプヨプヨがウソのように平らに戻っていたのです。
やっぱり気のせいだったのかな?と思いそのまま3日くらい様子を見ました。
でもやはり夜になるとまたプヨプヨが現れます。
これはいい加減おかしいな、と感じ、プヨプヨ部分をスマホで撮影。かかりつけの小児科へ診せに行くことにしました。
小児科でここ数日の症状を話すと、先生は娘を診ることなく、開口一番「おかあさん、鼠径ヘルニアって知ってますか?」と言いました。
先生が娘を診ることなく鼠経ヘルニアについて話したので比較的ありふれた病気なのだなと感じると同時に、少し安心したのも事実です。
地域の中でも大きい病院で診てもらうために紹介状を書いてもらいます。その場ですぐに予約も入れて頂きました。
週明けすぐに大病院へ。
小児科の先生に症状を話し、スマホの写真を見せます。
娘の鼠経部も見てもらうと、あっさりと鼠経ヘルニアと診断されました。
ド素人の私はガンのように検査をするものだと思い込んでおり「え?検査もしないで分かるの?」とちょっとびっくりしましたが、そういう病気もあるんですね。
小児科の先生にお話しされた内容は、
✔鼠経ヘルニア自体はこどもには比較的多い。
✔お母さんのお腹にいるうちに塞がるはずの穴がふさがらない子もいる。
✔2歳くらいまでなら自然にふさがる子もいるが、年長になると自然にはふさがらないから手術が必要。
✔手術は1時間程度で終わり毎週行っている簡単(というと語弊があるかも知れませんが)な手術。
✔まれに反対側にもヘルニアがある子もいるから手術の際に両側を見る。
という内容でした。
ちょうどわが家は1か月後に旅行の予定があったため、その件も合わせて相談しました。
さいわいすぐに手術する必要はないので2か月後の手術でも問題ないと言ってもらいひと安心。
手術当日までの生活も普段通りで良いそうです。
終始こちらを心配させまいと、先生がやさしく説明してくれた姿が印象的でした。
おむつを履いていたからこそヘルニアが発見できたのだと思うとおねしょにも感謝の気持ちが芽生えました(笑)
手術前検査・入院説明
手術2週間くらい前に手術前の検査と入院の説明を受けました。
行った検査は血液検査、レントゲン、心臓検査の3つです。
次女はこわかったようで検査ですこし泣いてしまいました。
同じ日に入院についての説明も受け、大量の書類にサイン。
一度にいろいろな話をされても正直頭がそこまでまわりませんでした。
ただ出される書類に目を通し、サインするので精一杯という感じです。
ちょっとショックだったのは付き添いの親のベッドが欲しいと言うと、「え?使うんですか?」のようなけげんな顔をされてしまったことです。親は床に寝ろってことでしょうか(笑)
コロナ禍のため希望したわけではないのに個室を希望したことにされ、しかも差額ベッド代として5,500円/日かかると説明されました。
*付き添い入院について感じた問題点はまた別記事でまとめる予定ですのでそちらをお読みください。
入院
つぎに実際の入院生活のスケジュールについてです。
次女の場合は入院は3日間で、手術は2日目に行われました。
入院1日目の流れから順を追って解説していきます。
入院1日目
入院当日。入院センターで受け付け後、病室へ案内されます。
病棟への扉を一度くぐると、もう退院まで出ることはできません。ちょっとした隔離状態です。
コロナ禍のため幼児は基本的に個室のようです。
個室内はトイレ、洗面台、テレビ、冷蔵庫、パイプイス、長ベンチが備え付け。
トイレと洗面台があるのはこどもから目を離す時間が最小限で済むのでとても助かりました。
初日は検温があるくらいでほとんどやることはありませんでした。
次女はシャワーに入れるとのことなので、夕食前にシャワーを済ませます。
付き添いは本来は入れないのですが、次女がまだ年長なので私も一緒に入って洗ってあげました。
この日も付き添い入院許可や同意書など大量の書類に目を通しサインします。
手術前日だから無理かなと心配でしたが、夕食は病院食を食べることができました。
たくさん買い込んでおきたいところですが、冷蔵庫が小さいため買いだめできないのが難しいところ。
やることもなくヒマなので、持ち込んだタブレットを見たり、ワークをしたりして過ごしました。
このくもんのワークはシールがたっぷりついていて、えんぴつがなくてもできるページが多く使いやすかったです。
飽きないように、入院まではいっさい見せないのがポイント(笑)
病棟の消灯が9時ですが、次女は疲れたようでこの日はもっと早めに7時半ごろ就寝しました。
とは言っても大人の私はそこまで早く寝られません。
消灯といっても廊下の電気は点いているし、看護師さんや他の患者さんの歩く音が聞こえてなかなか落ち着かないのです。
個室でも落ち着かないのだから、大部屋に入院する人ってもっと大変なんだろなぁと思いました……。
寝るまではしばらくは暗闇の中持ち込んだスイッチをして過ごしました。
入院2日目
いよいよ手術当日。
朝は絶食、水分も7時までしかとることができません。
手術は11時から。手術室までは自分たちで歩いて向かいます。
手術室に向かうまでは元気でしたが、手術前室で「お名前は?」と聞かれると異様な雰囲気を感じ取ったのか次女はなかなか名乗ろうとしません。
こども心に名乗ってしまうとどこかに連れていかれると気づいていたようです。
とうとうしゃくりあげながら名前を名乗る次女。看護師さんに手を引かれひとり手術室に歩いていきました。
6歳で手術を受ける怖さに耐えているなんて……この姿を見て親の私も思わず号泣です……。
さて、私も泣いてばかりはいられません。手術の間に自分のご飯を明日の分まで買いに行かなければならないからです。
手術自体は1時間くらいで短いため、事前にスタッフさんに伝えてコンビニまで調達しにいきました。
病室でお昼を食べながら待っていると看護師さんが「もうすぐ手術終わりますよ!」と伝えに来てくれました。
手術室まで迎えに行くと、すでに麻酔が覚めた次女がベッドで運ばれてきました。
しばらく全身麻酔がきいていて寝ているものだと思っていたのでこの姿にすこしびっくりです。
でも病室に戻ってきてからは麻酔で頭がまだぼんやりしている様子で、次女は2時間ほど寝ていました。
手術当日でもうれしいことにおやつも出ます。朝からなにも食べていない次女はビスケットに大喜びしていました。
気になるのは夕飯ですが、おかゆなどのいかにも病院食というものではなく普通のメニューがでました。
夜は手術の緊張と疲れもあり早めに就寝しました。明日の退院が楽しみです。
入院3日目
晴れて退院の日です。
この日は本当に帰るだけで、先生の診察や荷物をまとめたりしているうちにあっという間に終わりました。
次女にはさいわい反対側には鼠経ヘルニアはなく、左側のみだったということです。
1週間後の術後検診までは普通の生活で問題ないとのこと。
ただ力が入るのが心配なので運動会の練習は見学させることにしました。
今回はたった3日間の短い入院ではありましたが、こどもはもちろんのこと、親も普段と違う環境では
くつろぐことも難しいということがよくわかりました。
兄弟がいる場合は入院していない子のケアも考えないといけませんし、これが長期入院となるとこども・親ともに本当に心身ともに疲弊するなと感じました。
※付き添い入院で感じた問題点は別記事にまとめる予定ですのであわせてお読みください。
術後の様子
1週間後検診でもなにもトラブルなく普通の生活に戻りました。
気になるのは術後の様子ですが、おへそと太ももの付け根あたりに小さな手術痕があったものの数週間でまったくわからなくなりました。
ただおへその形は少しだけ変わってしまいました。
おへその変形は手術の後遺症として事前に話を聞いていたので、その通りになったなという印象です。
変形は成長とともによくあることだと思いますし、次女のがんばった証としてとらえています。
この記事がこれから入院する方や、ヘルニアの可能性のある方のお役にたちましたら幸いです。